No−168FAのイメージです。


計算式を真似させて頂いて、緑がループゲイン、赤がオープンゲイン、青がオープンゲインの位相、黄色がループゲインの位相です。
ループゲインが0dBに沈むポイントにおいて位相が絶妙に戻って実に上手い設定に見えます。


完全対称型は負荷によってゲインが変化し、その最低負荷や最高負荷で位相が安定かどうか確認しておく必要があるので、帰還抵抗を変化させて同様に見てみます。

rval=0.1,1k,2k,4k,8k,16k,32k,64kです。


rval=0Ωの時にループゲインが0dBに沈むポイントが最も高くなり、rvalが大きくなるほどこれが低域に降りてくることが分かります。
かつ、その位相特性を見るとrval=0Ω時でも位相余裕が60°確保されており、rvalが大きくなってもそれぞれループゲインが0dBに沈むポイントにおける位相余裕が必ず60°以上確保されることがこのグラフから明らかです。従って位相補正は完璧な適正状態であると言えます。

が、一つ気に掛かるのはオープンゲインが位相も含めどの場合も同じ結果となる点です。このオープンゲインはrval=0Ω時のループゲインと位相を含め同じ結果となっています。

電流出力のK式ではオープンゲインは負荷によって変化する筈なのですが、このシミュレーションでは一定となっています。どこか間違っているのか(^^;


位相補正の適正値を探るためにパラメトリック解析をしてみます。

rval=300,600,1.2k.2.4k,4.8k


300Ωでは発散してしまいました。600Ωでは低域側で位相余裕が60°以下になり、2.4k以上だと高域側で位相回転が早まる上にループゲインが0dBに沈むポイントが高域側に移るためこちらで位相余裕が60°以下になる。1.2kΩは最適の設定という結果です。


今度は抵抗は1.2kΩに固定してCを変化させてみます。

cval=135p,270p,540p,1080p



この場合はCはどれでも良いようですね。(^^;


こちらは音楽を愛する電子回路の図123のイコライザーアンプのイメージなのですが、これでループゲインとオープンループゲインを表示させてみます。


ループゲインが逆RIAA特性となり、オープンループゲインは低域で一定という結果になります。
金田式の理論からするとこの場合オープンループゲインがRIAA特性になるはずなのですが・・・。どこかおかしい(^^;


出力に帰還素子と同じ回路を負荷として与えてみると。


赤がオープンループゲインで上手くRIAA特性になっています。
緑がループゲインで、これが低域でやや低下するものの可聴帯域でほぼ一定となっています。上ではこれが逆RIAA特性になりましたが、こちらの方が完全対称理論からは正しいように思います。
黄色がオープンループゲイン−ループゲイン≒クローズドゲインでちゃんとRIAA特性になりました。
ところが、ピンクのオープンループゲインの位相と水色のループゲインの位相が上手くありません。(^^;


位相上手くないと思ったのですが、オープンループの位相計算をP(V(V4:+))−P(V(V4:−))+180とすると10MHz以上の高域を除けばまともな結果が出るようですね。


ケフィスさん考案の新手法を早速試してみました。


おお、素晴らしい。(^^)
すべて完璧ではないかと思います。
赤がオープンゲイン、緑がループゲイン、青がクローズドゲイン、水色がオープンループゲインの位相、橙がループゲインの位相。
ループゲインが0dBに沈む6MHzにおける位相余裕は60°以上確保されているので黄色のVDB(V4:+)にはピークが生じていません。


位相補正Cによるパラメトリック解析をやってみます。
cval=127p,255p,510p,1020p です。


ちょっと見にくいですが、VDB(V4:+)のグラフでcval=127pF、255pFではピークが生じており、cval=510pFが最適な位相補正値であることがとても良く分かる結果となりました。(^^)


cval=1k,2k,4k,8k,16k,32k,64k